Tokyo Sweets Club 東京スイーツ倶楽部
11月定例会を終えて


11月にアステリスクの和泉シェフをお招き致しました。和泉シェフは当倶楽部への登場は2回目になります。1回目の際は、まだ調布にあるスリジエでシェフをされていた時で世界大会の二度目の挑戦前の時でした。 今回は、ご自分のお店を今年5月に新しくオープンされ、このお店をスタッフみんなと如何に成長させていこうかとされている志が強く現れていて、ある意味、オーナーシェフとして、本当にどっしりと腰を据えて いかにたくさんの方々に自分の作品と出会って頂き 幸せを感じて貰うかという本当の意味でのスイーツ魔術師に変貌を研げておられました。 今回の作品もその想いが一つひとつの作品にも現れていて、食する我々の心を踊らせる物ばかりで またまた和泉マジックの虜になってしました。 その一旦をレポートさせて頂きます。 最後になりましたが、和泉シェフ 本当にお忙しい中をわが倶楽部に足を運んで頂き有難うございました。 これからもわが倶楽部メンバー全員で応援しておりますので、素晴らしいスイーツ創出に頑張って下さい!

 

東京スイーツ倶楽部

代表世話人

中村真也

 




【ミニコーヒー講座】


【ミニコーヒー講座】

美味しいお菓子に相応しい飲み物があれば。。。という最高のシチュエーションが、今回の例会で実現!和泉シェフが会場に向われている間、東京スイーツ倶楽部の一員であり、コーヒー業界で長年ご活躍されている荒木規雄さんが、ミニコーヒー講座を開いてくださいました。
軽井沢に本店を置く「丸山珈琲」のガテマラ産スペシャルティ・コーヒー豆のパッケージを開くと、会場一杯に上品なチョコレートのようなアロマが広がります。豆の選び方からコーヒープレスでのコーヒーの入れ方まで、短い時間ながらも丁寧にご指導いただき、また、荒木さん自ら入れていただいたコーヒーが各テーブルに並ぶことで、和泉シェフの作品に出会う前に、豊かな心の準備も整いました。当倶楽部にご参加いただくと、お菓子から派生して様々な世界の奥深さを垣間見ることもできるのです!
来年、表参道にイタリアンカフェをオープンするご予定の荒木さん。東京スイーツ倶楽部一同、応援しています!




【プチガトー・ヤマブキ】

【プチガトー・ヤマブキ】

コーヒー講座の後は、2006年に和泉シェフ率いるチーム・ジャパンが、ワールド ペストリーチーム チャンピオンシップ(WPTC)で準優勝した時に考案された逸品が、いよいよテーブルへ。一つ目のケーキから、いきなり気分が盛り上がります!
秋らしい茶系でまとめられながら、トップに絞られたクリームと円形のチョコレートの鮮やかなグリーンが目に飛び込んできます。崩すのがもったいないくらいにツヤツヤでプルンとした中央のムースをいただくと、柔らかな食感、それを引き締めるチョコレートの深み、そしてパリパリなノワゼットとの絶妙な組み合わせを楽しめるだけでなく、爽やかなオレンジの香りによって、口の中が初夏になります。
通常、コンクールに出品したケーキを店頭販売する場合は、作り方を簡略化するシェフが多い中、和泉シェフの「プチガトー・ヤマブキ」は、コンクール時の作品を忠実に再現されているという、和泉シェフのこだわりも伺うことができました。




【ガブリエル】

【ガブリエル】

名前の由来は、果物のピューレのように濃厚な、フランスのカシスリキュールから来ているそうです。バナーで色付けされたマウンテンヒープの外見が、まず面白い!お客様からは、「マニアック」と評されることも多いそうです(笑) 次に、そのハードな表面とは対照的な極上カシスムースの口どけに驚かされます。ケーキの中心にはバニラムースが隠されており、カシスの甘酸っぱさとのバランスも印象に残りました。

【タルトセゾン】 【タルトセゾン】

その時期にしか手に入らない季節のフルーツを使い、素材の美味しさを伝えたいという思いで生み出される「タルトセゾン」。今回の主役は、和泉シェフ自ら農家を訪ねて素材を吟味し、産地から直送してもらっているマスカットです。パープルに光輝く季節のタルトは、まるで原石が磨かれてジュエリーへと形を変えるような美しさ。テーブルに運ばれてくると同時に、各テーブルから歓声が上がります!瑞々しいフルーツの存在感を潰すことなく、ベースであるタルト生地のパート・シュクレと、上部のクリームやシブーストとの食感のコントラストも緻密に計算されていて、定番スイーツを進化させるという和泉シェフのパッションを十二分に感じることができました。

【ミゼラブル】 【ミゼラブル】

4作品目は、ベルギーに昔から伝わるスイーツを「古典菓子の再構築」に取り組まれている和泉シェフによって、モダンに進化させた「ミゼラブル」です。貧しい時代に、庶民が身近な材料を用い、牛乳ではなく水を使った素朴なケーキ。本来ならば、アーモンド生地にずっしりとしたバタークリームを合わせるケーキが、シェフのマジックで、軽やか、且つ繊細に生まれ変わりました。中心部のババロアにはマダガスカル産の最高級のバニラビーンズを使用し、アーモンドの女王と称されるマルコナアーモンドも香り高い!その名前とは裏腹に、食べる人を一瞬で贅沢な気持ちにさせてくれます。

【モンブラン】 【モンブラン】

日本の食材にも注目されている和泉シェフ。彼の出身地である愛媛県には、中山町という栗の名産地があります。その中山栗の中でも最等級の栗のみを、ふんだんに使用した大きなモンブランが、例会の最後を飾ります。香り高いマロンクリームは甘すぎず重すぎず、そして内部のマスカルポーネクリームがケーキにコクを加えます。そして、単調になりがちなモンブランの食感にメリハリを与える、ベースのアーモンド入りメレンゲ。こだわり尽くしのスイーツは、秋の定番と言わずに、一年中食べていたい!

今年5月、代々木上原に「アステリスク」をオープンされた和泉シェフは、自分の夢について、次のように語られました。「これからお菓子と、どう付き合っていくのか。私は、お店をオープンしたことは夢の完結ではなくスタートだと思っています。年が明けたらパン、焼き菓子、ショコラにも挑戦したい。そして、代々木上原でデセール専門のカフェも開きたい。やりたいことは沢山あります。」

誕生日や結婚式など、人は幸せの表現としてケーキを食べます。そして、辛い時、悲しい時にもスイーツを食べたくなります。何故ならば、一切れのケーキで心が癒されるからです。今後も、愛情と情熱がたっぷり込められたシェフの作品は、沢山の人々の生活に幸せをもたらしてくれることでしょう。
ご実家もお菓子に携わられ、生まれた時からお菓子と共に歩まれてきた和泉シェフのご経験談を伺いながらの、充実した金曜日の夜。。。そして今夜は、美しいスイーツの夢が見られますように!





 

<文責>船越さやか

2012年12月11日