Tokyo Sweets Club 東京スイーツ倶楽部
11月定例会を終えて

シェフと中村


2005年からミキモトのデザートをプロデュースしている横田シェフを囲んでの例会。
お皿に載った出来立てのケーキを頂き、更にシェフのお話も楽しめるという贅沢な時間が今年もやってきました。後半には、普段ミキモトを仕切っている野田さんという女性シェフも登場。日本で1位の彼女が繰り出すデザートの世界や如何に。


東京スイーツ倶楽部

代表世話人

中村真也

紅玉りんごのクランブルタルト ■紅玉りんごのクランブルタルト

刻んだりんごを生のままタルトに乗せて焼き上げた一品。 とてもサクサクしていますが、ひと口ひと口にしっかり存在感があります。りんごの酸味とキャラメルソースのバランスもとても良く、三口で食べ終わると思うと勿体なく感じてしまいます。

アップルカルバドスムース
■アップルカルバドスムース

カルバドスとはりんごのブランデーのことです。ムース部分はお酒の味が強いですがとても軽く、底の生地部分も一瞬だけ主張してすっと消える感じなので2つのケーキを1つにした形ですがとても自然にマッチしています。プルーンも良いアクセントです。

洋梨のシャーベットと王者之香
■洋梨のシャーベットと王者之香

王者之香はジャスミンを意味しています。最近のミキモトサロンは中国茶に注目しているので、その関係でジャスミンを使うことにしたそうです。ゼリーは口に含んだ瞬間にとても強いジャスミンの香りが一杯に広がります。デザートのゼリーなので甘いですが、アジア圏でよく目にする甘いお茶とは全く違い甘さが嫌らしくありません。洋梨のシャーベットは全力で梨の味がします。甘味が自然でさらっとしています。

クリスマスフォンダンショコラ ■クリスマスフォンダンショコラ

フォンダンショコラとはとろけるチョコレートという意味。 濃厚でちょっとビターなチョコレートが大人の味わいです。 流石クリスマスと名が付いているだけあって、お皿にはチョコレートの星が輝いています。 上に刺さっているのはシュー生地のスティック。 割るとピスタチオのソースが流れ出てくるのですが、添えられたいちごやラズベリーと同時に目に入るとあることに気付きます。 そう、赤と緑のクリスマスカラーになっているのです! クリスマスのイメージで仕上げているので目で見て感じ取ってほしいとシェフからお話を頂きましたが、星型のチョコレートのことだけではなかったのですね。 星のきらめきの様に、そんな素敵なひらめきも与えてくれる一皿でした。


東日本大震災以降、横田シェフはアジアのスイーツ文化を根付かせる活動をされています。
30年程前、日本はフランスに追い付こうと誰もが修行に行き、生み出したデザートを披露しながら腕を磨いていきました。それから数十年経ち、やっとアジア(中国、韓国、台湾、シンガポールなど)が追い付こうとしてきています。しかし日本がそれだけ時間をかけてやってきたことを5年くらいでしようとしているので薄っぺらいデザートばかりになってしまっているのが現状です。たとえ見た目が同じでも中身はイマイチというのがトレンドなのです。日本は細かいところまでこだわって作る文化で、それがデザートにも表れています。これは簡単にはマネの出来ない匠の世界です。嘗てフランスがそうだった様に、日本も他国からの留学生を受け入れ、日本の文化を発信していきたいということでした。



 発信するにはまずイメージすること、そしてそれを発信するには知識と技術が欠かせません。引き出しを沢山つくることが前提条件となります。とはいえ、横田シェフも昔はなかなかうまくいかなかったそうです。10回やって、やっと納得いくものにたどり着くのが精一杯でした。しかし長年の経験から、今では2回で想像通りのものが作れるそうです。スイーツ以外から学ぶことも多いので、若いうちは色々な経験をしたり様々なものを食べてほしいということでした。


 修行に来る最近の若い人達を見て思うのは、とても真面目だけれども小さくまとまってしまっていて、若者らしい荒削りな部分がなくなってしまっているということだそうです。情報量が多い中を生きていて、理想を作れない若者達。やがてこうなりたいという夢もなかなか見ることが出来ず、すぐにやめてしまう。働き始めて3ヶ月ほど経つと誰もが地獄に落ちる経験をするそうです。しかし、そこから半年なり1年なりだまされたと思って続けていくと、お菓子作りも楽しいかもと思える様になってくるのでそこで判断してほしいというのが横田シェフの願いです。美味しいスイーツと、それを作る人の想いとを両方楽しめるのが東京スイーツ倶楽部です。皆様のお越しをお待ちしております。




文責:渡邉聡美

2012年01月06日